あの日見た、花を灯して君へ
変わらず、鳴る花火の音も。

変わらず、光る花火も。



ちゃんと、聞こえて居たのにーーー。



「ごめん、聞こえなかった。
何ーー?」


知らないフリをした。




大好きな花火のせいにして、逃げようとした。



だってーーー




「はいはい、聞こえてたよね?今の。
逃げない逃げない。

まつりーーー、彼氏のこと想ってていいから付き合って?」




今のは、絶対聞こえた。



ちょうど、花火は上がって居ない時。

確信犯か、永遠はニヤリ、と笑った。


「ーーそんなの、悪すぎて無理!
だいたい、付き合って実は心の中に違う人居ますって可笑しいよ!!


わたしはーーーそんな中途半端な気持ちで付き合えない!!「それでもいい。だって、超えるし」



ボソッと聞こえた彼の声は、、
すぐ耳元で聞こえた。


近い距離。

うん、彼がわたしを抱き締めたから至近距離はゼロだ。


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