君のそばにいさせて
森本さんは、自分ではあまり自覚ないみたいだけど、
可愛らしい顔立ちで、
ふわふわのロングウェーブに
アーモンドみたいな瞳に、
柔らかそうな赤い唇に

全てが可愛くて人気があった。

それに気がついた遊馬が焦っているなと思ったし、
手を離すことなんてないだろうと思っていた。


好きだと思っても、それを伝えることはできないし、
ましてや、自分のものになるなんて思わなかった。

遊馬と付き合ってから、ますます、可愛くなったし、
男子生徒からも人気は、過熱していた。

遊馬が彼氏で、、勝負の付いている告白をわざわざするやつなんていなかった。

もれなく、、俺もその中の1人だった。


遊馬の前だと無防備になる姿とか
遊馬をみる熱い眼差しとか、
全てにおいて
遊馬に向けられていることはわかっていた。

負け犬の負け戦なのもわかっていた。

だから、見て入るだけだった。

彼女の笑顔が見れたらいいと思っていた。


はじめて彼女に触れたとき
このまま時間が止まればいいと思った。

彼女のかわいい瞳がオレだけを映してくれたらいいと思った。
彼女の笑顔も、言葉もすべて俺ののならよかったのに。

だけど
森本さんは俺じゃない人をずっと見ている。

諦める、諦めようとして
あきらめるつもりだった。

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