君のそばにいさせて

「大丈夫。大丈夫だから、泣くな」

どのくらいの時間が過ぎたのかわからない。
ただ、森本さんが落ち着くまでずっと抱きしめていた。

このまま、一人にさせるわけにはいかない。

行き場をなくした目をして
ずっと大きな涙を流していて。

森本さんを遊馬がどれだけ想っているか
遊馬が
森本さんをどれだけ想っているか。

二人を見てきた俺にはわかっていたし、
なにより、
遊馬の隣にある森本さんがとても可愛らしいと感じているから諦めようとした。

こんな、泣かせるために俺は諦めたんじゃない。



遊馬が泣かせるなら、、、俺が代わりに。



森本さんを抱きしめながら、俺はある覚悟を決めた。