君のそばにいさせて
#4.5
「森本さんと、俺って、苗字一文字違い」
森山くんが知ってた?って私に聞いてきた。
「森、、本と、山、」
「あっ、うん、そうだね」
美術室。
お昼休み。
絵画コンクールのため、放課後だけでなく昼休みも美術室で過ごすことが多くなった。
いつのまにか、
森山くんが美術室に来るようになり、
いつのまにかこうして一緒に、お昼ご飯を食べている。
昨日は、私のお弁当の卵焼きが、欲しいと言われあげた。
お礼にオレンジジュースをもらった。
あんなに苦手な印象があって
私にきつい態度していたのに
、なぜかわからないけれど最近は優しくて笑ってくれることもある。
遊馬くんのことがあるから、、なのかな。
気にしてくれているのだろうか?
こうも毎日、美術室に来るとさすがに、、気になる。
「俺、ときどき、聞き間違いするときあるんだよね」
購買部で人気のコロッケバーガーを食べながら、森山くんは足を組み直す。
こうして、今までよりも長く時間を過ごすことになって、森山くんへの苦手意識もだいぶ和らいだ。
私が話しすることよりも、森山くんが話しすることが多い。、多弁ではないけれど、ポツポツと話をしてくれる。
授業の話から、休みの日何をしたかとか、テストのこととか。
そういう私が返事に困らない話題を提供してくれる。
遊馬くんとも、付き合う前は美術室で、そんな話をしていた。
あの時も、遊馬くんが、美術室まで来てくれた。
陸上部の休憩の合間、部活が始まる前、教室では接点がなかったけれど、ここでは、たくさん話をした。
ぎゅっと急に息ができなくなるくらい、胸が苦しくなる。
ここには、、思い出がありすぎる。
今まで気にしないようにしていたけれど、、こうして森山くんとここで、話をしていると、あの時と重なる。
これ以上、森山くんと過ごすのは、、、。
「森山くん、あの、何か美術室に用事とかあるの?」
「なんで?」
「あっ、うん、毎日来ているから、もし何かあるのなら、私、昼休みはここに来るのやめるし」
昼休みの30分勿体無いけど放課後に、時間作ればなんとかなる。
いまは、一人になりたい。
「だから」
「ちがうよ。森本さんがいなかったら意味ないし」
だから、気にしないで言ってねと言おうとして、森山くんの言葉がかさなる。
「おれが来たいから来てるだけ。」
「、、、」
「俺が森本さんに会いたくて来ているだけだから」
一気に森山くんが言葉を向けて来た。
「あっ、あの」
その彼に戸惑う。
「ごめんね、迷惑?」
「う、ううん」
真っ直ぐな目で、問われてちゃんと言えなかった。
森山くんは、まっすぐに私を見る。
「遊馬といま、喧嘩しているのも知ってる。そこにつけこむなんてことはしたくない、、けど。」
机挟んで前に座っている森山くん。
長い手足を無駄に遊ばせている。
ゆったりと足を組み直して、肘を机に乗せて手を組む。
あっ、この顔。
あのとき、私が廊下で泣いていたときに抱きしめてくれたときの、、。
ゆっくりと指が私の手首に伸びて来た。
そして
「オレ森山さんが好きだ」
掴まれた手首が熱を帯びる。
頭の中、キーンと音が響く。
「ずっと、好きだった」
手首で感じた熱は、背中にうつり、
森山くんに引き寄せられた。
森山くんが知ってた?って私に聞いてきた。
「森、、本と、山、」
「あっ、うん、そうだね」
美術室。
お昼休み。
絵画コンクールのため、放課後だけでなく昼休みも美術室で過ごすことが多くなった。
いつのまにか、
森山くんが美術室に来るようになり、
いつのまにかこうして一緒に、お昼ご飯を食べている。
昨日は、私のお弁当の卵焼きが、欲しいと言われあげた。
お礼にオレンジジュースをもらった。
あんなに苦手な印象があって
私にきつい態度していたのに
、なぜかわからないけれど最近は優しくて笑ってくれることもある。
遊馬くんのことがあるから、、なのかな。
気にしてくれているのだろうか?
こうも毎日、美術室に来るとさすがに、、気になる。
「俺、ときどき、聞き間違いするときあるんだよね」
購買部で人気のコロッケバーガーを食べながら、森山くんは足を組み直す。
こうして、今までよりも長く時間を過ごすことになって、森山くんへの苦手意識もだいぶ和らいだ。
私が話しすることよりも、森山くんが話しすることが多い。、多弁ではないけれど、ポツポツと話をしてくれる。
授業の話から、休みの日何をしたかとか、テストのこととか。
そういう私が返事に困らない話題を提供してくれる。
遊馬くんとも、付き合う前は美術室で、そんな話をしていた。
あの時も、遊馬くんが、美術室まで来てくれた。
陸上部の休憩の合間、部活が始まる前、教室では接点がなかったけれど、ここでは、たくさん話をした。
ぎゅっと急に息ができなくなるくらい、胸が苦しくなる。
ここには、、思い出がありすぎる。
今まで気にしないようにしていたけれど、、こうして森山くんとここで、話をしていると、あの時と重なる。
これ以上、森山くんと過ごすのは、、、。
「森山くん、あの、何か美術室に用事とかあるの?」
「なんで?」
「あっ、うん、毎日来ているから、もし何かあるのなら、私、昼休みはここに来るのやめるし」
昼休みの30分勿体無いけど放課後に、時間作ればなんとかなる。
いまは、一人になりたい。
「だから」
「ちがうよ。森本さんがいなかったら意味ないし」
だから、気にしないで言ってねと言おうとして、森山くんの言葉がかさなる。
「おれが来たいから来てるだけ。」
「、、、」
「俺が森本さんに会いたくて来ているだけだから」
一気に森山くんが言葉を向けて来た。
「あっ、あの」
その彼に戸惑う。
「ごめんね、迷惑?」
「う、ううん」
真っ直ぐな目で、問われてちゃんと言えなかった。
森山くんは、まっすぐに私を見る。
「遊馬といま、喧嘩しているのも知ってる。そこにつけこむなんてことはしたくない、、けど。」
机挟んで前に座っている森山くん。
長い手足を無駄に遊ばせている。
ゆったりと足を組み直して、肘を机に乗せて手を組む。
あっ、この顔。
あのとき、私が廊下で泣いていたときに抱きしめてくれたときの、、。
ゆっくりと指が私の手首に伸びて来た。
そして
「オレ森山さんが好きだ」
掴まれた手首が熱を帯びる。
頭の中、キーンと音が響く。
「ずっと、好きだった」
手首で感じた熱は、背中にうつり、
森山くんに引き寄せられた。