君のそばにいさせて
今年の夏は、大会とかまだ残っているから、あんまり会えないかも、、、、。
遊馬くんが申し訳なさそうに言ったのは、もうすぐ夏休みになるという時。
今年は受験生だし、今までみたいに夏休みに遠出したり、たくさん会うことは難しいのは予想はついていた。
もともと、お付き合いを始めたときも、部活でほぼ長期休みは会えなかったし、会えないならとわたしが会いに行ったらいいと思って、部活という名目で、学校に行っていた。
遊馬くんの部活は午前に、二時間、お昼食べて午後からとかなりハードだったから、お昼を一緒に食べたり、終わる時間見計らって校門で待ち合わせたり。
部活がオフの時、花火大会に行ったり、海に行ったり。
たくさん、どこかに行けなくても、私は、学校でお弁当を食べたり、帰り一緒に帰るだけでも幸せだった。
陸上部大会と同じ時期、
ちょうど夏休み明けに、私も美術コンクールとかあったから、それに合わせるために一緒に登校することもあった。
どこにも行けことやデートらしいことができなくて、今までも遊馬くんは気にしてくれていた。
今も目の前で、
申し訳なさそうに表情をへこませている遊馬くんに心配かけないようにしなきゃ。
「大丈夫!今年は受験生で、夏季講習とかで忙しくなりそうだったし。」
「花火大会とか、遊園地とか、息抜きに行きたかったんだけど」
遊馬くんが、肩を落としている。
遊馬くん、優しいからなぁ。
自分も夏休み、最後の大会があるから部活も忙しくなるのに。
「もし、ちょっとでも時間がお互い出来たら、どっか行こう?」
遠くなくてもいい。
どこか二人で出かけられるなら。
少しでも落ち込んでいる遊馬くんを笑顔にしたくて、約束を交わす。
遊馬くんが微笑んで頷いてくれた。
遊馬くんの笑顔に、胸がキュンとなる。
付き合ってもうすぐ2年過ぎているのに、いつまで経っても遊馬くんの笑顔にドキドキしちゃう。
「佐倉先輩ー!」
遠くから遊馬くんを呼ぶ声がして、マネージャーの田中さんがこちらに向かって歩いてくる姿が見えた。
さっきの胸の痛みとは別の、鋭い痛さを孕んだ痛みが刺さる。
ズキズキ。
とても、綺麗で行動力のある彼女は陸上部の、敏腕マネージャー。
一瞬、田中さんと目があって、視線をそらす。
田中さんのわたしを見る眼差しは苦手。
少し、怒り?を込めているような、非難しているような視線が痛い。
「先輩!ミーティング始まりますよ!」
「あっ、はい」
田中さんが遊馬くんの腕に手を絡ませ、、引っ張る。
「じゃ、また、夜電話するから」
陸上部のグランドに向かって走る遊馬くんの背中を見て少し、、切なくなる。
となりを歩いている田中さんが羨ましい。
わたしには何もできない。
陸上の知識も、アスリートを支える知識もない。
ただ、応援することしかできない。
田中さんみたいに、そばにいて、遊馬くんの記録が伸びるように、アドバイスやお手伝いができたらいいのにっていつも思う。
一番近くで遊馬くんが飛ぶ姿を見たい。
フェンス越しとか、客席とか、遠くからじゃなく目の前で見たい。
二人の背中を見送っていると、ふと、いきなり田中さんが振り向いて、わたしを一瞥したように見えた。
二年生、陸上部のマネージャーでもある田中さん。
わたしは彼女が苦手だった。
後輩なのに、どちらが年下なのかわからないくらい彼女は堂々としている。
堂々と、遊馬くんの隣を並んで歩いている。
自信がなくて、一歩引いて遊馬くんの斜め横を歩く私とは違う。
会話をしながら軽く遊馬くんの腕に触る田中さん。
やだな。
細くて白い田中さん腕が遊馬くんの腕に絡まる。
やだな。
やだな。
遊馬くんに触れないで。
遊馬くんが申し訳なさそうに言ったのは、もうすぐ夏休みになるという時。
今年は受験生だし、今までみたいに夏休みに遠出したり、たくさん会うことは難しいのは予想はついていた。
もともと、お付き合いを始めたときも、部活でほぼ長期休みは会えなかったし、会えないならとわたしが会いに行ったらいいと思って、部活という名目で、学校に行っていた。
遊馬くんの部活は午前に、二時間、お昼食べて午後からとかなりハードだったから、お昼を一緒に食べたり、終わる時間見計らって校門で待ち合わせたり。
部活がオフの時、花火大会に行ったり、海に行ったり。
たくさん、どこかに行けなくても、私は、学校でお弁当を食べたり、帰り一緒に帰るだけでも幸せだった。
陸上部大会と同じ時期、
ちょうど夏休み明けに、私も美術コンクールとかあったから、それに合わせるために一緒に登校することもあった。
どこにも行けことやデートらしいことができなくて、今までも遊馬くんは気にしてくれていた。
今も目の前で、
申し訳なさそうに表情をへこませている遊馬くんに心配かけないようにしなきゃ。
「大丈夫!今年は受験生で、夏季講習とかで忙しくなりそうだったし。」
「花火大会とか、遊園地とか、息抜きに行きたかったんだけど」
遊馬くんが、肩を落としている。
遊馬くん、優しいからなぁ。
自分も夏休み、最後の大会があるから部活も忙しくなるのに。
「もし、ちょっとでも時間がお互い出来たら、どっか行こう?」
遠くなくてもいい。
どこか二人で出かけられるなら。
少しでも落ち込んでいる遊馬くんを笑顔にしたくて、約束を交わす。
遊馬くんが微笑んで頷いてくれた。
遊馬くんの笑顔に、胸がキュンとなる。
付き合ってもうすぐ2年過ぎているのに、いつまで経っても遊馬くんの笑顔にドキドキしちゃう。
「佐倉先輩ー!」
遠くから遊馬くんを呼ぶ声がして、マネージャーの田中さんがこちらに向かって歩いてくる姿が見えた。
さっきの胸の痛みとは別の、鋭い痛さを孕んだ痛みが刺さる。
ズキズキ。
とても、綺麗で行動力のある彼女は陸上部の、敏腕マネージャー。
一瞬、田中さんと目があって、視線をそらす。
田中さんのわたしを見る眼差しは苦手。
少し、怒り?を込めているような、非難しているような視線が痛い。
「先輩!ミーティング始まりますよ!」
「あっ、はい」
田中さんが遊馬くんの腕に手を絡ませ、、引っ張る。
「じゃ、また、夜電話するから」
陸上部のグランドに向かって走る遊馬くんの背中を見て少し、、切なくなる。
となりを歩いている田中さんが羨ましい。
わたしには何もできない。
陸上の知識も、アスリートを支える知識もない。
ただ、応援することしかできない。
田中さんみたいに、そばにいて、遊馬くんの記録が伸びるように、アドバイスやお手伝いができたらいいのにっていつも思う。
一番近くで遊馬くんが飛ぶ姿を見たい。
フェンス越しとか、客席とか、遠くからじゃなく目の前で見たい。
二人の背中を見送っていると、ふと、いきなり田中さんが振り向いて、わたしを一瞥したように見えた。
二年生、陸上部のマネージャーでもある田中さん。
わたしは彼女が苦手だった。
後輩なのに、どちらが年下なのかわからないくらい彼女は堂々としている。
堂々と、遊馬くんの隣を並んで歩いている。
自信がなくて、一歩引いて遊馬くんの斜め横を歩く私とは違う。
会話をしながら軽く遊馬くんの腕に触る田中さん。
やだな。
細くて白い田中さん腕が遊馬くんの腕に絡まる。
やだな。
やだな。
遊馬くんに触れないで。