世界No.1の総長と一輪の花 II
*
冷たい風が頬を撫でて、目が覚めた。
「花!!!!!無事で良かった…!!!!!!」
冬樹くんの声が近くで聞こえてくる。
目を開けたまま声のした方を見ると、心配そうな顔をした冬樹くんが目の前まで来てくれた。
…あれ?
私がいるのはソファの上。
「花、お風呂でのぼせてて……!!!ここまで運んだんだ…っ!!!」
…嘘………のぼせてた……!?
ゆっくり起き上がってみたが、瞬間…はらり、と何かが床へと落ちる。
床へと落ちたものを見ると、それはタオルとタオルケット。
そして目の前には顔を赤く染めて、すぐにふいっと顔を逸らす冬樹くん。
「……!?」
私は数秒後に自分が裸だと言うことを理解した。
「ごっ!ごめん!!!!花をここまで運ぶのに……見ないほうが難しくて…っ」
慌てて言う冬樹くん。
………冬樹くんには、全部裸を見られたということだろう。
私は急いで床へと落ちたタオルケットを拾って、体を隠す。
すごく恥ずかしくなってくる。
頬が熱を帯びたかのように熱くなっていくんだ…