世界No.1の総長と一輪の花 II
*
「ほい」
放課後、教室まで迎えに来てくれた詩優に渡されたのは私の教科書やなくなっていたジャージ。
「他に盗られたもんとかねぇか?」
「……教科書、無くなってたことには気づかなかったや」
「アホ。もうこんなことはさせねぇから。俺に守られて」
「……うん…ありがとう」
「倉庫行こ」
朝、学校に来た時と同じように指を絡めて手を繋ぐ。
やっぱりみんなの視線が集まって…恥ずかしくて、下を向いて歩いた。
靴へと履き替えて裏門へと行くと、止まっていた1台の綺麗で艶のある大きなクルマ。
リムジンが止まっていた。
「姫、どうぞ」
詩優は一旦手を離すとリムジンのドアを開けてくれて、私を乗るようにと促す。
…また、どこかのお姫様にでもなった気分だ。
「…あ、ありがと」
私がリムジンに乗ると、詩優も隣に座る。