世界No.1の総長と一輪の花 II
お母さんは昨日帰ってこなかった。
メールには
"こっちは雷がすごいのと、ひょうが降ってて帰れそうにない…
花莉と冬樹くんは大丈夫?
お母さんは今夜こっちに泊まります。ごめんね、明日の朝には一旦帰ります"
とかかれていた。
だから今は部屋に1人。
持ってきていた淡いピンクのワンピースを着てみるが……首元についた赤い痕が見えている。
…どうしよう。
他の痕は服で隠せたのに…
…化粧品、なんてリップしか持ってきていない。
だとしたら……髪と絆創膏で隠すしかない。
ヘアアイロンなんて持ってきていないからクシを使いながらできるだけ真っ直ぐになるようにドライヤーで髪を乾かす。
念入りに乾かしたら、薬箱の中から絆創膏を3枚もらって首に貼る。
さすがに3枚も貼れば正面から見たらすぐに気づいてしまう。
…引っ掻いちゃった、ってことにしよう。