世界No.1の総長と一輪の花 II





…いや、でも……全然痛くなかったし……詩優だって何も持ってない。
じゃあ……詩優の魔法で……





なんて馬鹿な考えをしながら無言で詩優を見つめると、




「それフェイクピアスっていうやつ。俺が昔つけてた」




私の反応を見て笑いながら答えてくれる。





…フェイクピアス?
聞いたことない言葉に首を傾げた。





フェイク……って日本語にするとにせもの、とか模造品っていう意味だよね……
じゃあ…にせものピアスってこと…?





考えてみてもよくわからない。





「またの名をマグネットピアス。それ、マグネットでくっついてんの。
耳に穴あいてなくても使えんだろ?」


「…マグネット!?」





…マグネットすごい……!!!





私は急いで洗面所の鏡の前に移動して、耳についたマグネットピアスを確認。
耳にはきらきらと光る丸くて赤い石がついている。





…それは見覚えのあるもので……
ドキドキと胸が高鳴る。












< 128 / 439 >

この作品をシェア

pagetop