世界No.1の総長と一輪の花 II
…いや、でも……全然痛くなかったし……詩優だって何も持ってない。
じゃあ……詩優の魔法で……
なんて馬鹿な考えをしながら無言で詩優を見つめると、
「それフェイクピアスっていうやつ。俺が昔つけてた」
私の反応を見て笑いながら答えてくれる。
…フェイクピアス?
聞いたことない言葉に首を傾げた。
フェイク……って日本語にするとにせもの、とか模造品っていう意味だよね……
じゃあ…にせものピアスってこと…?
考えてみてもよくわからない。
「またの名をマグネットピアス。それ、マグネットでくっついてんの。
耳に穴あいてなくても使えんだろ?」
「…マグネット!?」
…マグネットすごい……!!!
私は急いで洗面所の鏡の前に移動して、耳についたマグネットピアスを確認。
耳にはきらきらと光る丸くて赤い石がついている。
…それは見覚えのあるもので……
ドキドキと胸が高鳴る。