世界No.1の総長と一輪の花 II






靴を履いて外へ出る前、詩優は私の腕をぐいっと引っ張って強く抱きしめる。
それから耳元で





「好きだ」





と、甘く囁く。
その声が色っぽくて一瞬にして心臓がバクバクいって暴れる。






最近詩優は、1日1回必ずこうやって抱きしめて甘く囁いてくる。
毎日抱きしめてくるタイミングがわからないから心の準備もしてる暇がない……






だから毎回ドキドキしてばかり。





「なぁ、花莉からキスして」





私の体を離して、目の前に屈んで目を閉じる詩優。





目を閉じた目の前の彼はやっぱり整った顔をしているとよく思う。





…きっと詩優のお母さんも美人さんに間違いなし。





「早く。学校遅刻する」





急かして言ってくるもんだから、ちゅっと軽く触れるだけのキスをおとした。






昨日したキスはかなり深くしたんだけどね…






「…が、学校行こっ!!」






私は詩優より先に玄関を出た。
それに続いて詩優も外へと出る。









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