世界No.1の総長と一輪の花 II
…私ももしかしたら成績表を捨てたかもしれない。
赤点じゃないからいいかな、なんて思って……
「順位は覚えてないの?」
呆れたような顔をして言う京子。
「「「覚えてない」」」
詩優、明日葉、倫也が動きを止めて答える。
「じゃあ次のテストで勝負でもしたら?」
「やるか」
「いいねー!!!これで誰が頭悪いかよくわかる!!!!」
「やろやろ!!!」
みんな楽しそうにする。
詩優なんて口角が上がってるし……
さすが暴走族。
"勝負"という言葉に弱いのだろう、となんとなく理解した。
「はい、花莉。あーんして」
何事かと思い、前を見たら…
お箸で卵焼きを挟んで私に近づけてくる京子。
…!!!
口を開くと、卵焼きが運ばれた。
…やっぱり美味しい。この甘さがすごく好みの味なんだ。
「ありがとう!!京子!!」
お礼を言うと、「どういたしまして」とにやにやしながら京子は私と詩優を交互に見ていた。