世界No.1の総長と一輪の花 II












帰れたのは朝方。




「お、おかえり…」




部屋の鍵を開けてくれた制服姿の花莉はなんだか元気がない、気がする。




「ただいま」





ぽんぽん、と優しく頭を撫でてあげると





「お疲れさま!ご飯作ったんだけど食べる?」





今度は無理して笑う。





…何かあった?
それとも俺が何かした、か…?




それとも…




花莉のおでこに手を当ててみる。
けど、熱はなさそう。





「…ご飯食べる?」


「おう。さんきゅーな」





たたたっと走っていく彼女。
だけど、やっぱりおかしい。






「花莉、その靴下違うやつじゃね?」





明らかに違う靴下を左右で履いている。
右は学校用の紺色の靴下で、左は部屋用のくまの靴下。





「え!?あ、ほんとだ!!」





花莉は足元を見て恥ずかしそうにしながら自分の部屋へと向かう。











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