世界No.1の総長と一輪の花 II
*
帰れたのは朝方。
「お、おかえり…」
部屋の鍵を開けてくれた制服姿の花莉はなんだか元気がない、気がする。
「ただいま」
ぽんぽん、と優しく頭を撫でてあげると
「お疲れさま!ご飯作ったんだけど食べる?」
今度は無理して笑う。
…何かあった?
それとも俺が何かした、か…?
それとも…
花莉のおでこに手を当ててみる。
けど、熱はなさそう。
「…ご飯食べる?」
「おう。さんきゅーな」
たたたっと走っていく彼女。
だけど、やっぱりおかしい。
「花莉、その靴下違うやつじゃね?」
明らかに違う靴下を左右で履いている。
右は学校用の紺色の靴下で、左は部屋用のくまの靴下。
「え!?あ、ほんとだ!!」
花莉は足元を見て恥ずかしそうにしながら自分の部屋へと向かう。