世界No.1の総長と一輪の花 II
ごんっ!!!!!!
と大きな音が聞こえてきて
「いっっったぁ………!!!」
と花莉の声が聞こえてくる。
「花莉!?」
急いで花莉のもとに行ってみれば、おでこをおさえてうずくまっていた。部屋のドアにでも頭をぶつけたのだろうか……
「だ、大丈夫…!」
辛そうな声でそう言われても説得力の欠片も無い。
「あほ。おでこ見せろ」
彼女のおでこをおさえていた手をとって、前髪を上にあげてからおでこを見ると少し赤くなっていた。
「…大丈夫、だから」
それでもまだ無理した笑顔で平気そうにするから、ひょいっと体を抱きかかえた。
「え!?ちょっと…!!詩優!!」
花莉の部屋のベッドの上におろしてあげて、俺は冷えピタを冷蔵庫から持ってくる。
俺が戻ってくる間に花莉は靴下を学校用のものに履き替えたみたいだ。左右どっちも紺色の靴下になっているから。
でも、1番違うのはそこじゃない。
「花莉、今日土曜だから」
「土曜?」
「土曜日」
「…土曜、日?」
「学校休みの日だから」
「……え」
数秒間固まってから、顔を赤くする目の前の彼女。