世界No.1の総長と一輪の花 II
その間に冷えピタを半分に切って、花莉の前髪をもう一度上にあげてからおでこにぺたりと貼ってあげた。
「あ、ありがと…」
急いで立ち上がろうとした花莉。
その細い手首を掴んで、引き寄せてベッドへと座らせた。
「俺の前では無理しなくていいから。
何か溜め込んでることがあるなら言ってほしい」
花莉の目を見つめる。
彼女の視線は俺を確かに見つめて、すぐに涙目へと変わった。
「……詩優に伝言預かってきたの」
「伝言?」
「葉月さんから…」
まさか、花莉の口からその名前が出てくるとは思わなかった。心臓がドキリと鳴って変な汗が出てくる。
宮園 葉月。
俺の昔の幼なじみ。
「……七回忌もいつもの場所でやるから絶対来て…だって」