世界No.1の総長と一輪の花 II
それを聞いた瞬間思考が停止。
「………あー、うん。わかった」
はっと我に返ってやっと出た声は驚くほど素っ気ない声で、自分でも驚いた。
自分から花莉に"溜め込んでることがあるなら言ってほしい"なんて言ったのに。最低なことをした。
家のこと、花莉には話していない。
今まで話すタイミングなんていくらでもあったのに。
「…俺の母親と兄貴はさ、もう他界してんだ。ごめんな。今まで話さなくて」
花莉は涙目のまま首をふるふると横に振った。
「…無理に聞きたいわけじゃないの……」
ぎゅっと花莉は俺を抱きしめてくれて、俺はその優しさに甘えてそれ以上は何も言わなかった。
本当は話すべきなのに。
家のことや、葉月のこと…
詩優side.end