世界No.1の総長と一輪の花 II
1時間半ほどで会場へと到着。
やっぱりいつ見ても大きいホテルだな、なんて思う。私みたいな一般市民が入っては行けない場所。
そんなところにまた足を踏み入れて、ホテルの中へと入る。
「腕にくっついてろ」
詩優が小さな声で言う。
そういえば前に来た時も腕にくっついてたっけな、なんて思いながらぎゅっと詩優の腕に抱きついた。
ゆっくり歩いていくと、フロントで
「詩優様!!!」
スーツを着たボブカットの女性が笑顔で駆け寄ってくる。首元には青いスカーフをつけて、胸には『白野』
とかかれた名札をつけているここの従業員。
ここでバイトをした時にも私に声をかけてくれたりした白野さん。
「妃芽乃さんもお久しぶりです」
白野さんは私の存在にも気づいてくれて挨拶をしてくれる。
「お、お久しぶりです…!」
「詩優様、こちらいつもの鍵です」
「さんきゅ」
詩優は白野さんから差し出された鍵をポケットにしまって奥へと歩く。
…なんの鍵だろう