世界No.1の総長と一輪の花 II
中はとても広くて、ドレスを着た綺麗な女性やスーツに身を包んだ男性がたくさん。
いくつかある丸いテーブルの上には美味しそうな料理が並べられている。
そして、天井にはキラキラと光り輝くシャンデリア。
…貴族のパーティー。
うん。きっとお金持ちの人達しかここにいないはずだ。
それから、私たちが中に入ると一瞬で周りの視線が集まる。
「夜瀬詩優様」
入って一番最初に声をかけてきたのはマッシュ頭の黒髪の男性。スーツをしっかり着ていて、ジャケットのボタンも上までとめている。
…真面目な人そう。詩優とは違って。
詩優はネクタイだって緩くしめてあるだけで、ボタンだって上から3個もあいている。ジャケットのボタンは当然とめていない。
…なんか色気があってかっこいい、と思ってしまう。
「お初にお目にかかります。私は宮園 慶一(みやぞの けいいち)と申します」
目の前の男が頭を下げた時、詩優は「…宮園?」と少し引っかかったような表情する。
「宮園葉月の義兄です。義理のですけど」