世界No.1の総長と一輪の花 II





丁寧に教えてくれる目の前の男。





「…へぇ」




興味無さそうに呟いた詩優。明らかに自分たちより年上のこの目の前の男の人に失礼だとはおもったが、私は何も言うことができなかった。






"宮園葉月"
という名前を聞いて変に動揺してしまっているから。詩優の幼なじみだというのは教えてもらったけど、2人の関係を詳しく教えてもらったわけではない。







「そちらの女性は…詩優様の恋人ですよね」






宮園さんの視線が今度は私へと向けられると、心臓がドクン…と鳴って変な汗が出てくる。
声は優しいのに、なんだかその瞳が冷たくて……あの人と似ているような気がしたから。






あの人って言うのは私の元父親。






宮園さんはすごく優しそうなのに…何最低なことを思ってしまったんだろう。あの笑いながら楽しそうに暴力を奮う男と一緒にするなんて最低すぎる。






「……妃芽乃…花莉、です」






不自然すぎるくらい声が震えてしまう。でも、この人は大丈夫だと思ってもやっぱり元父親のことを思い出してしまって怖くなるんだ。










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