世界No.1の総長と一輪の花 II






「葉月か」


「慶(けい)くんと一緒にいたんだ!」






「まぁな」


「詩優…また背、伸びた?」






「成長期だから」


「会わないうちにどんどん成長するね。っていうか!!連絡無視しないでよ!!!!超困るんだけど!!」






「あー、ごめんごめん。最近忙しくてさ」





宮園さんはただ微笑んで2人見ていて、私も2人のやり取りを聞いていることしかできなかった。






「絶対嘘!!!!!!!私が前に貸したゲーム機なくして焦ってただけでしょ!?」


「…あれ?返さなかった?」






「返してもらってないよ!!!!」


「わりぃ。なくしたかも」






「返してもらってないのそれだけじゃないよ!!小学生の時貸した消しゴムだって、鉛筆だって、縄跳びだって返してもらってない!!!!」


「まじでごめん。今度お詫びする」






モヤモヤとした気持ちが心にひろがっていく。
自分でもどうしたらいいのかよくわからないけど…とにかくここにいたくない。
私が知らない詩優を葉月さんが知っていると思うとなんだかずるいと思ってしまうんだ。




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