世界No.1の総長と一輪の花 II
会場に再び戻ったところで、さっきよりも人が増えていて詩優たちの姿がみえなくなっていた。
…嘘でしょ……
とりあえず当たりを見まわそうとくるりと後ろを向いた時
「おっと」
どんっ、と人にぶつかってしまった。
「ご、ごめんなさいっ!!!!!!」
すぐに離れて慌てて謝ると、そこにいたのはマッシュ頭の黒髪男性。宮園さんだ。
「お怪我はありませんか?」
優しく聞いてくる宮園さん。
だけど…やっぱりどこか怖いと思ってしまう最低な私。
「…は、はい!大丈夫です…!」
「それなら良かったです。お急ぎですか?」
「…は、い。えと…詩優を探してて……」
「詩優様と葉月なら、2人だけで話があるらしくここから移動しましたよ?」
ドクン、と心臓が嫌な音を立てる。
……2人だけで話?それは……何の話だろうか。
「…そう、ですか」
ただそう返すことしかできなかった。