世界No.1の総長と一輪の花 II
「姫じゃなくて総長が作ったの?」
そう聞いてきたのは壮だ。壮と奏太はいつも通り朝飯を食いに部屋へと来たところ。
朝飯のホットケーキを見てそんなことを言ったんだ。
花莉が帰ってきてくれてから朝飯も作ってくれるようになった。それは本当に感謝だし、俺はもうホットケーキを焦がさずにすんだんだけど……
目の前にあるのは俺が作るより、いやたぶんそれ以上に焦げたホットケーキがあった。
「…ごめんなさい」
申し訳なさそうな顔をする花莉。
…たぶん、さっきのことで動揺したせいだろうか……
だとしたらそれは俺のせいなわけで
「気にすんなよ」
ぽんぽんと優しく頭を撫でてあげた。
「総長が作ると焦がすのは当たり前だったしー、焦げは食べ慣れてる」
「…ダークマター作れるなんてある意味天才じゃん」
フォローにならないフォローを壮と奏太はしてくれる。本当にフォローにならないフォローだけど。
そう言いながらもホットケーキを頬張った。