世界No.1の総長と一輪の花 II
「妃芽乃様、行きましょうか」
宮園さんは2人のことを無視。
私も今は奏太くんと壮くんに声をかける余裕すらなくて…
エレベーターに乗ろうとした
その時
ぐいっと腕を引っ張られて、
「あんた、そのブサイクな顔でどこ行くの」
エレベーターに乗ることを阻止された。
私の腕を掴んでいるのは奏太くんで…
不機嫌そうな顔をしている。機嫌がいい顔なんてめったに見せないけど…
「……え、と…詩優のとこに行こうと…してただけで……」
普通に話そうとしたら声が震えて、言い終わるのと同時に視界が歪んで…涙がぽたりとこぼれ落ちてしまった。
すると、
ぐいっとまた腕を引っ張られて奏太くんの背中まで誘導される。そして、私を隠すように壮くんも奏太くんの隣に立つ。