世界No.1の総長と一輪の花 II
ただ落ち着いて内容を理解したかったのに…
気づいたら走り出していて、勢いよく部屋を出た。
すると、扉の近くにいた葉月さんと目が合って……
甘い香水の匂いがした。
…さっき、詩優からした甘ったるい香水と同じ匂いが。
「待てよ花莉!!」
後ろから来た詩優にパシッと手首を掴まれて、動けなくなってしまう。
「……詩優、昨日どこに泊まったの」
やっと出た声は情けないほど震えていた。
「あっ!ごめんね、妃芽乃さん。昨日ダメだとは思ったんだけど…」
答えたのは詩優ではなく葉月さんで、
「昨日、詩優を部屋に泊めたの」
その言葉にまた動けなくなってしまった。