世界No.1の総長と一輪の花 II
…どういうこと………
じゃあ…宮園さんから聞いたことが正しくて…
"姉貴の部屋に泊めてもらうことになった"
と言った詩優はうそ……
泣きたくなんてないのに涙がぽたぽたとこぼれ落ちる。
心に鉛が乗ったかのように重くなって…
怪我をしたかのようにズキズキと胸が痛むんだ。
「…花莉、これにはわけがあって」
詩優はぎゅっと私の手を強く掴む。
「………離してよ…」
こんな泣き顔なんて詩優にも葉月さんにも見せたくないの…
「詩優のうそつき…」
「ちゃんと聞いてほしい」
「私に嘘ついて女の人と過ごすの…楽しかった…?」
言ってはいけない。
抑えなくちゃ…
それはわかっているつもりなのに……
嫌な感情が溢れ出して、もう止められない。
「頼むから聞いて花莉」
「詩優なんて嫌いっ、大っ嫌い……!!!!!!!!!!!!!!!!」
詩優の手を思いっきり振り払う。