世界No.1の総長と一輪の花 II
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どこに向かっているのか自分でも分からなくて、気づいた時には知らない道をさまよっていた。
近くに小さな公園を見つけたが、思わず前で足を止める。
だって、その公園にはガラの悪そうな男3人が煙草を吸っているところだったから。
…しかも制服姿で。
目が合ってしまえばさすがにやばいと思い、走って公園を通り過ぎる。
ポケットの中に手を突っ込んでみても、みごとに何も持っていない。
お財布も。スマホも…
ただひとけのない道を走って、やっと大通りが見えてきた。
…ここの大通りなら、以前詩優のバイクの後ろに乗った時に通った気がする……
…あの頃が懐かしい。
過去のことを考えるだけでもまた視界が涙で歪んでしまって、自分が着ているセーターの袖でごしごし目を擦った。