世界No.1の総長と一輪の花 II






もしかして。
もしかしなくても…宮園さんに抱きしめられたところを見られたのではないか…






「す、すみません…!!!詩優様…!!!妃芽乃様が悲しんでいるように見えたので……」






宮園さんは詩優に頭を下げる。
…宮園さんは悪くないのに……







ぐいっと強い力で腕を引っ張られて…
私の体は詩優の方へと引き寄せられる。





「…帰るぞ」





詩優は私の手を引っ張って歩こうとするが、私は1歩も動かない。





「…離して……っ…やめてよ…っ」





涙が次々に溢れ出す。
自分でも止められないくらい。






「…今は詩優と一緒にいたくないの……っ!!!!!」






繋がれた手の力が一瞬だけ緩んで…
私は手を振り払った。






「…宮園さん…車に乗せてください……」






宮園さんの有無を聞かずに私は車へと乗り込んだ。
宮園さんは戸惑っているようだが、すぐに運転席に乗って車は発進。



















…詩優はどんな顔をしていただろうか。
怖くて顔を上げることができなかった……
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