世界No.1の総長と一輪の花 II
詩優の過去
「…り!……なり!……てっ!!」
誰かが遠くから私を呼ぶ。
その声はだんだん大きくなって言って、私の中へと響く。
「花莉!花莉!起きてっ!!!」
体を揺さぶられ、ぱちりと目を開けるとすぐ近くに京子の姿が。
京子は…なぜだかひどく焦った表情。
…なんだろ……
「花莉、行くよ!!!」
ぐいっと私の手を引っ張って、体を起こしてくれると、すぐに早歩きで階段をおりる京子。
「…行くって…どこに…?」
まだ眠い目をこすって、京子に聞いてみる。
それから玄関で靴を履いて、車に乗せられると
やっと京子が答えてくれる。
「詩優が倒れたって……」
その言葉に時が止まったかのように動けなくなった。