世界No.1の総長と一輪の花 II





タタタっ




俺がいるのとは反対側の扉から4組の教室を出て、勢いよく走っていく女の子が1人。




背が小さいし、後ろ姿で誰だかよく分かる。




その女の子は花莉だ。




…逃げた?




俺は彼女の後ろ姿を追った。後ろから「詩優様~!!」とか聞こえてきたけどそんなの全部無視。








幸い花莉は足が早い方じゃねぇから直ぐに追いついて、パシッと腕を掴んだ。
それと同時にパサっと何かが廊下へと落ちる。





「詩優!?」




驚いた顔して花莉は俺を見つめる。
…もしかしたら彼女は俺から逃げるために走ったわけではないのかもしれない。




「…どこ行く気?」


「…えと……みんなが詩優のサインもらおうとしてたから……私も並ぼうと思って……」





花莉がそう答えるから、さっき廊下へと落ちた物を見ると…そこには1冊のノートと1本のペンが落ちていた。





…俺のサイン欲しかったから並ぼうとしてたって………………





思わず笑ってしまう。








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