世界No.1の総長と一輪の花 II
「……詩、優…っ…起きてたの…!?」
詩優から離れて、距離を取ろうとしたが…ぐいっと腕を掴まれて離れるのを阻止される。
「…お前の声が聞こえてきたから起きた」
…なにそれ……
笑おうとしたのに、こぼれ落ちたのは涙で。
「…心配…したのっ……」
もう一度ぎゅっと詩優へと抱きついた。
詩優が着ているのは白いワイシャツ。シワになったらごめんね、と内心謝りつつ詩優の胸に顔を埋める。
「…本当にごめん」
「…体調悪いの……?」
「……最近あんま寝てなかったから睡眠不足…だと思う」
「………ばかっ…」
…何かの病気じゃなくて良かった。
と一安心。
「…花莉、うそついてごめん。本当のこと、俺の過去のことも全部、ちゃんと話すから……聞いてほしい」
詩優の言葉にゆっくり頷く。
「でも…今は…詩優がたくさん睡眠とってから…………」
そうしなくちゃまた詩優が倒れてしまう。