世界No.1の総長と一輪の花 II






…1ヶ月の家出……
小学生で……




「…当時の俺なんて行くところは葉月の家か海斗の家くらいだったから、2人の家を行き来してたっけ」





…葉月さんの家……
そう思うとなんだか胸の奥が痛くなる。





詩優が小学生の時の話なのに。





「花莉、お前にもう嘘つきたくねぇから言うけど…」





詩優はまっすぐに私を見つめて、一呼吸する。
そして。











「…葉月とキスした」










思考が停止しそうになる。
こぼれ落ちそうな涙をぐっと堪えて、




「…いつ?」




と、聞いてみる。





「……小学生の時の、親父と喧嘩して葉月の家に泊まった時」





…それはつまり私と出会う前の話。






「…ファーストキス?」





ちらりと詩優を見つめると、「……そう、なるな…」と答える。





「…何回したの……」


「…1回」






「…どんなキス…葉月さんだと思って…私にもして…」






ぎゅっと目を瞑る。







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