世界No.1の総長と一輪の花 II
ちゅっと頬にされた優しいキス。
ぱちっと目を開けると、真剣な表情の詩優と目が合った。
「好きな子にするキスは特別なんだよ。お前をほかの女だと思うのなんて無理に決まってんだろ」
「………っ…」
ぽたりと涙がこぼれ落ちて、詩優は指で私の涙を拭ってくれる。
「…ごめん」
分かってる…
昔のことだがら、詩優が謝らなくていいってこと。
出会う前なんだもん…
仕方ないじゃん……
でも……
宮園さんが見せてくれた、詩優と葉月さんが抱き合っている写真や、
"体の関係"
というのを思い出してしまって、胸が痛い。
「…詩優と…葉月さんが…抱き合っている写真、見たの……」
声が震えてしまう。
「…抱き合っている写真?」
詩優は首を傾げる。
「………宮園さんに見せてもらったの…」
そう言えば詩優は眉をひそめて、
「多分あれのことか…」
と呟く。
…思い当たる節があるんだ……