世界No.1の総長と一輪の花 II
「先に言っておくと抱き合ったわけじゃねぇから」
「……じゃあなに………私にうそついて葉月さんのところに泊まったけど、抱き合ってはいないってこと?」
嫌味を含めて言えば、詩優は怒られた仔犬のような顔になる。
…可愛いけど……今はちゃんと聞かなくちゃいけない。
「…葉月が躓いて、それを支えただけだ。その時にちょうど宮園に見られた。
それから、葉月の部屋に泊まったのは作戦会議してただけで本当に何もない。
…葉月の部屋に泊まるってことは、花莉を傷つけることになる…ってそうわかってたから、うそついた。
…本当にごめん」
詩優の言葉を信じたい。
信じたいけど……気になる点がある。
「…作戦会議って…?」
詩優はまた息を吸ってから、
「これも最初から話すと…
この間のパーティーの日さ、親父に俺が暴走族やってるのがバレて…葉月を婚約者にって話になったんだ。
その話を白紙にするための作戦会議を葉月とした」