世界No.1の総長と一輪の花 II
…あの詩優が?
学校でも、外でも、すごくモテる詩優が…?
……私が初めて…?
私はただ口を開けて詩優を見つめることしかできない。
それから、我に返ったのは数秒後くらい。
「ぜ、絶対嘘…っ!!」
だって、キスだって、初めてした時だって、慣れたように私に触れていたじゃないか。
私より可愛い子なんてこの世界にはたくさんいるし……詩優はたくさん出会いがあったはずだ。
「嘘じゃねぇよ」
「…絶対嘘っ!!慣れてたもん!!」
「…慣れてねぇし。あほ花莉」
「…なんで教えてくれなかったの!?」
「…言うもんじゃねぇだろ」
「言ってよっ!!」
「普通は言わねぇ」
…確かに。
…普通は言わないのかも知れない。
『俺初めてだから』とか『~回目なんだ』とか言う人は少ない…のかな…?
「…わかんないよ」
「もうお前に嘘つかねぇって決めたあとにすぐ嘘つかねぇから」