世界No.1の総長と一輪の花 II
「…宮園に何かされた?嫌なことされたりとか、触られたりとか…」
詩優は自分で聞いておいて、何かを思い出したかのように、強く私を抱きしめる。
その力は強すぎて、少し苦しいくらい。
「…詩優っ」
『苦しい』と伝えたかったのだが、私の言葉は詩優によって遮られた。
「宮園のやつ俺の前でやりやがって」
怒りを含めて言う詩優。
私はすぐにその言葉の意味を理解した。
私が宮園さんに抱きしめられた、ことだろう。
…やっぱり詩優に見られていたんだ……。
「……一瞬だけ、だったから」
すぐに離してもらえたし。
…全然大丈夫なんだけど。
「そういう問題じゃねぇ」
と言って詩優は私を離そうとしない。
「…他に何かされてねぇ?…っていうかあの後どこ連れてかれたの」
「…ただ車に乗せてもらって…京子の家の近くでおろしてもらったの…。泊まったのは京子の家だよ…」
「…良かった…。無事で」
それから私は詩優に頭を撫でられて、しばらくの間離してもらえなかった。