世界No.1の総長と一輪の花 II
この綺麗な鎖骨にキスしたい。
今すぐ俺のだっていう痕をつけたい。
……噛みつきたい
なんて思っても口には出さず、ただ鎖骨をなぞるように触れて、
あとはぎゅーっと強く抱きしめる。
「…詩優って犬みたいだね」
ふふっと花莉は笑う。
「仔犬みたいな可愛い顔して寂しそうな顔する時もあるし、凶暴な犬みたいな時もあるから」
…犬か。
だとしたら俺はお前を守る番犬だな。
「花莉は小動物」
「…前から気になってたけど何で小動物なの?」
「小さくて可愛い生き物だから」
俺の言葉に花莉はムッとしたのか「違うもん」と言って頬を膨らませる。
その膨らんだ頬を指で突っつくと、くるりと後ろを向いて俺と目を合わせる花莉。
「…ばか」
そう呟いてから俺に顔を近づけてきて、唇に甘くて温かい熱が伝わる。
一瞬だけで、すぐに離れてしまったけどすげぇ嬉しい。