世界No.1の総長と一輪の花 II
おでこをおさえて詩優を見つめる。
「花莉、何か忘れてねぇか?」
急に言われたこと。
…忘れてる?何を?
私は脳をフル回転させた。
それでも、考えても考えても何も思い当たることはなくて。
「…え?なに?」
詩優に聞いてみた。
「ジャージ着てる写真、送られてきてねぇんだけど」
「…送ったよ?」
体育の時間に。
ちゃんと言われたとおり写真撮ったもん。
「送られてきてねぇ」
ムスッとしている詩優は「早く」と催促してくる。
私はポケットの中からスマホを取り出して、送信済みのメールを確認した。
「あ」
思わず声が漏れた。
だって、送信済みのメールに入っていたのは京子宛てのものだったから。
「ご、ごめん……間違って京子に送ってた……」
…恥ずかしい。
京子に見られたってこと、だよね……?