世界No.1の総長と一輪の花 II






ガチャッ、と玄関の扉を開ける。
カードキーが部屋の中にあるため、部屋の扉が閉まらないように開けたままにして外へと出た。





「さぁ、行きましょうか」





宮園さんは私へと手を伸ばす。
私はぎゅっと目を瞑って、ただ体を震わせることしかできなくて。





強い力で腕を掴まれた。
そして、無理矢理引っ張ろうとするから急いで声を出した。





「待って……約束の日は…明後日、のはずじゃ…」





…これじゃ、約束が違う。
24日まで、私は詩優の彼女なのに…。





「その予定でしたが……。予定変更です。
明日まで夜瀬詩優と一緒にいたところで、あなたが離れられなくなるのは目に見えています」






さらに強い力で私の腕を引っ張ってくるから、私は扉にしがみついた。






「……離れるから…ちゃんと約束するから……まだ明日は詩優の彼女なの…っ」






涙がこぼれ落ちる。








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