世界No.1の総長と一輪の花 II
…思い出に、これだけは持っていきたい。
詩優からもらった赤いマグネットピアス。それと、私があげた赤いイヤーカフ。
どちらも詩優とおそろい。
私はそれをスカートのポケットの中へとしまって、引き出しの中からメモ帳を取り出した。
最後のお別れのつもりで手紙を書こうとしたが、視界が涙で歪んでしまって上手く文字が書けない…。
…もう、本当に……会えないんだ。
そう思うと悲しくて、余計涙が溢れる。
本当は書きたいことがたくさんあった。でも、胸が苦しくて…これ以上は書けなくて……
リビングのテーブルの上に手紙とスマホを置いて、私は宮園さんに手を引かれて外へと出た。