世界No.1の総長と一輪の花 II
…俺と葉月のこと、話したあとはいつも通りだった。
…じゃあそのあと?
…ジャージを貸した時は、すでに様子がおかしかった…気がする。
スマホをひらいて待受画面を見つめた。
俺のジャージを着て、はにかんだように笑う花莉の写真。
…この時、あいつは無理して笑っていたんじゃねぇのか……?
「25日、花莉が…用事あるって言ってたの知ってる?」
「25日に?聞いてねぇけど…」
「…お母さんのところに行くって言ってたの」
「……」
24日までは俺とここにいるつもりだった…っていうこと、か?
でも1日前にここから姿を消すってことは…
やっぱり誰かに連れ去られた可能性が高いということ。
「京子。俺のマンションの監視カメラ、昨日のデータを全部出して」
「了解」
京子はすぐにパソコンを起動させると素早くキーボードを打つ。
それから、少しして…。
「おかしいわ。カメラのデータ、昨日の分だけ全部消されてる…
復元できるかやってみるわ」
「頼んだ」
どう考えてもおかしい。
なんで昨日の分だけ消す必要がある?やっぱり犯人が映ってるから…だろう。