世界No.1の総長と一輪の花 II
ぎゅっと目を閉じた。
それでも、思い出すのは詩優のことばかり。
一年前の雪の日に私を助けてくれて…告白されて。
雷龍の姫になって、一緒に暮らして、恋を知った。
私にいろんな感情を教えてくれたのは詩優で…大好きな人と付き合えて、本当に幸せだった。
次々に涙が溢れる。
こんなに好きになる人、きっともういない。詩優以外を好きになることも、詩優以外に触れられたいと思うこともない…
別れたくなんてなかったの。
…離れたくなかったよ……
私が離れたのは、詩優を助けるためだったのに…
今は意味の無いものになった。ただ、詩優や雷龍を困らせるための材料になっただけ。
…ごめんなさい……みんな…
心の中で謝った。
何度も何度も。
金髪男は私の体を撫でるように触れたあと、カチャカチャと自分のズボンのベルトに手をかける。
…大丈夫。
…怖くない。
大丈夫。
怖くない。
体は震えてしまうけど、自分にそう言い聞かせた。