世界No.1の総長と一輪の花 II
「…次、花莉に手ぇ出したら……てめぇら全員どうなるか、覚えておけ」
低い声で言って、周りの男たちをもう一度睨みつけてから私のそばまで戻ってくる。
私に手を伸ばしたかと思ったら首元に触れて。
首輪を外してもらえた。
「…赤くなってる」
悲しそうな表情で、詩優はそう呟いた。
ぐいっと私を抱きかかえて、部屋を出る。そのまま階段をおりていくと、たくさんの男たちが床に倒れていた。それから、雷龍のメンバーが数人視界に入った。竜二さんに、倫也、哲哉さん、貴詞さん…
「あとは任せる」
「あぁ」
通り過ぎる間際に詩優が竜二さんに伝えたのを聞き逃さなかった。
外はやっぱり寒くて、凍えてしまいそうだった。
雪がまた降り出したみたいで、ぽつぽつと降っている。
「…バイクなんだけど、乗れる?」
詩優の問いかけにこくんと頷くと、バイクに乗せてもらえた。