世界No.1の総長と一輪の花 II
そばにいたい
遠くで声がする。
「花莉」
大好きな人が私の名を呼ぶ声。
その声はだんだん大きくなってきて…
私の脳内に響く。
それから、パチッと目を開けた。
「髪の毛乾かしてから寝ろ」
目の前には大好きな詩優がいて。
温かい手が私の頬に触れて、むにっと引っ張る。
その手が心地よくて…
手を重ねて、
「…好き」
声を出した。
「……ん。知ってるから。早く髪乾かそうな」
優しい声が耳に届いたあと、もう片方の頬もむにっと優しく引っ張られた。
そういえば…帰ってきてお風呂に入ったんだっけ。
ぼーっとする脳を少し回転させる。
「…乾かして」
「ちゃんと起きてろよ?」
「…起きてる」
返事をすれば頬から温かい手が離れた。
それから肩にかけてあったタオルを取られて、髪の毛に優しくて触れられると温かい風を後ろで感じた。
髪に触れる手があまりにも優しいから…
なんだかくすぐったい。