世界No.1の総長と一輪の花 II





「お待たせ…!」


「おう。行くか」




詩優は私の手をとって、指を絡める。
普通に恋人繋ぎをしてくるから、心臓に悪い。ドキドキ胸が鳴ってばかりで、壊れてしまいそうだ…。




「…か、奏太くんと壮くんは?」


「あいつらはもう冬休みだから」






「そ、うなんだ」





いいなぁ…なんて思いながら
エレベーターへと乗って、1階へ。





外へ出るとまだ雪が積もったままで、肌寒い。







「おはようございます」




いつも通り康さんが車で待っていて、優しく微笑んでくれる。
当たり前だった毎日を、また過ごせることがなんだか嬉しい。





「おはようございます!」





元気に挨拶を返すと、詩優はふっと笑いながら車のドアを開けてくれる。ありがたく乗ろうとしたが、詩優は私の手を離してくれない。いや、たぶん離す気がないんだろう。
手を繋いだまま車に乗るのはすごく乗りづらいし恥ずかしかったが、仕方なくそのまま一緒に乗った。





「わりぃな、康。学校まで頼む」


「はい」





それから車は安全運転で発進。










< 330 / 439 >

この作品をシェア

pagetop