世界No.1の総長と一輪の花 II
*
「ねぇ、詩優!次はあれ乗りたい!」
たくさんの大きなコーヒーカップの乗り物がある方を指さして、詩優の手をぐいっと引っ張る。
「わかったから。走って転ぶなよ?」
「うん!」
電車に乗って、連れてきてもらったのはなんと遊園地。
電車に乗るのもすごく久しぶりだったけど、遊園地もすごく久しぶり。
最後に行ったのは確か、小学生の時にお母さんに連れてきてもらった時だった気がする。
だからすごく嬉しいんだ。
今日がクリスマスだから、人が少し多いけど。並んでいる時間も詩優と一緒だから楽しい。
「この次はジェットコースター乗りたい!」
「花莉って絶叫系苦手かと思った」
「え!全然いけるよ!!」
「苦手なのはお化けだけ?」
「……に、苦手じゃないよ…っ」
それは嘘。本当は強がっただけ。
だって、詩優が笑うんだもん。