世界No.1の総長と一輪の花 II
「…宮園は今どこにいる」
「お、俺たちにもわからない…!!」
「水鬼の溜まり場はどこだ」
「ま、前と同じところにある!!」
「それが嘘だったら、どうなるかわかってるよな?」
奏太くんは鋭い目つきで男を睨む。
「う、嘘じゃない…!!信じてくれ…!!」
必死に言う男に舌打ちをひとつ。
それから、奏太くんが私の方へと来て
「行くぞ。ブス」
強引に私の手首を掴んで歩き出す。
壮くんは手に持った鉄パイプを投げ捨てて、誠くんは手に持ったスプレーをポケットの中に入れて後ろをついてくる。
奏太くんは早歩きで、私は必死に足を動かす。
どうか、気づかないで、と願いながら。
手首を掴まれているから、私が震えているのが奏太くんにバレてしまいそうで怖かった。
それがバレると奏太くんはまたバカにしてくるかな…。
だから、早く離してほしかった。
でも、奏太くんが私の腕をひいてくれなかったら……
たぶん怖くてその場から動けない。