世界No.1の総長と一輪の花 II
「質問してもいい…?」
「は、はい!!」
「えと……誠くんは、前髪伸ばしてるの?」
「あ、は、は、はい!!の、伸ばしてます」
「なんで伸ばしてるのか、聞いてもいい?」
伸ばしている理由、それがあったら知りたい。
でも、もし話したくないのであれば、それは無理に聞くことではない。
「えと……これは……僕の盾、みたいなもので……」
“盾”?
首を傾げる私に誠くんは
「ぼ、ぼ、僕は……人と目を合わせることが…に、苦手なんです。そ、それで……よく見えないように盾を作っていて…」
丁寧に答えてくれる。
「で!でも!!し、詩優先輩や…ら、雷龍の方々の強い瞳は好きで……め、目が合うとやっぱり緊張します、けど……」
誠くんの長い前髪の下の瞳は、よく見えないけど輝いているような気がした。
「これから慣れていくといいね」
「が、が、頑張りますっ!!」