世界No.1の総長と一輪の花 II
「あっ!姫!!」
玄関で靴を履く私に声をかけてきたのは壮くん。
くるりと後ろを向くと、「部屋まで送るー」と言ってくれた。
「ありがとう!」
ガチャッと扉を開けて、2人で外へと出る。
冬の夜はやっぱり寒くて、壮くんは薄着だからなんだか申し訳なくなる。
だから少し早歩きで部屋へとむかう。
エレベーターを待つのは少し時間がかかるから、階段をのぼる。
「姫ってさ、わかりやすいね」
壮くんはなぜかそんなことを言って、無邪気に笑う。
…わかりやすいって…何がだろう。
「考えてることが全部顔に出るとこ。姫には裏の顔とかないんだなー、ってよくわかる。だから俺も奏太も気を許しちゃうのかな~」
私が考えていることをまるでわかるかのように答えてくれる。
「安心しなよ。水鬼は副総長たちが今日潰しに行くって言ってたから。宮園?っていうやつはハッカーが探すってさ」
壮くんが言い終わるのと同時に部屋の前に到着。