世界No.1の総長と一輪の花 II
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腕のいい闇医者のところに花莉を運んで、竜二と京子が到着した頃に俺は花莉の母親のところに向かった。
車の中はやけにしずかで。
情けない話だけど、体が震えて……余裕がなかった。
ただ拳を強く握って、花莉が無事であることを祈ることしかできない。
……できることなら、俺が代わってやりたいのに。
なんで花莉がこんなに辛いめにあわなくちゃならねぇんだ……。
あの子はもう、辛いめにたくさんあってきた。
元父親と義兄からの暴力に耐えて、ここまで生きてきたのに。
……やっぱり俺が関わったから花莉を危険な目に遭わせている。
何回も何回も。
海斗に殺されかけた時に離れておくべきだった。
別れるべきだった。