世界No.1の総長と一輪の花 II
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「本当に申し訳ございませんでした…!」
花莉の母親に全てのことを説明した。
俺が暴走族の総長をやってること。今までにも危険な目に遭わせたこと。それから…今日のことと、現在手術をしていること。
地面に頭をつけて、誠心誠意の土下座をした。
こんなことをしても怒られるに決まってる。
責められるに決まってる。
“今すぐ別れろ”と言われる。
母親のたった1人の大切な家族を危険な目に遭わせてしまったんだから…。
けれど……
「…顔を上げて?…夜瀬くん」
上から降ってきた声は責める言葉でもなければ怒鳴り声でもない。震えた涙声。
「……それはできません」
「…花莉はね、本当に夜瀬くんが大好きなのよ……だから、自分から動いて大好きな人を庇ったの。
夜瀬くんがそこまで謝る必要はないのよ」
「いえ……もとは俺が花莉を巻き込んだんです。花莉と関わらなければこうはならなかった……」
「…それは確かにそうかもしれない。
でもね、夜瀬くんが花莉と関係を持ってくれなかったら、花莉はまだあの家にいて……幸せにはなれなかったのよ」