世界No.1の総長と一輪の花 II
「……心配、かけて……ごめんね」
ゆっくり声を出した。
酸素マスクをしているが、声を出すのは少しだけ苦しくて、あまり大きな声は出せそうにない。
「…すごく心配したんだから……夜瀬くんにちゃんと謝るのよ」
ぽんぽん、と優しく私の頭を撫でてから私から体を離すお母さん。
すぐに隠れるように後ろを向いてしまったが、お母さんの涙が見えた…気がする。
「…お医者さんに花莉が目覚めたこと知らせてくるわね」
そう言い残して病室を出て行ってしまったお母さん。
だから、今は私と詩優の2人だけ。